天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

PSR B1919+21 パルサー第1号(こぎつね座)

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こぎつね座周辺 2019.10.26  Canon 10mm F3.5x15S 奥三河総合センターにて

※この冬の時期になぜ夏の星座「こぎつね座」が出てきたかと言うと、前回のブログの

「M1 かに星雲」で、超新星爆発の後残った中心の星は中性子星であると書いたからです。

その中性子星(今では宇宙物理学でブラックホールと並び超話題豊富な天体)が実は

「パルサー」として「こぎつね座」で初めて発見されたからです。

上の写真のパルサーの位置には、地球から約2300光年先に1600万年前に超新星爆発を起こした17.5等星の青色の中性子星が見つかっています。爆発が古いため「かに星雲」の様な星雲はすでに無くなっています。

「パルサー」とは中性子星の強い磁場からパルス状に電波が放出されているところから

そう呼ばれています。

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こぎつね座パルサーの想像図

※昨年10月NHK・BS「コズミック・フロント」でパルサーの第一発見者の

「ジョスリン・ベル・バーネル博士」の「失われたノーベル賞 女性天文学者

パルサーの謎」と題する番組が放送されました。

ケンブリッジ大学院生の時、研究室のヒューイッシュ教授の元で宇宙からくる電波の「ゆらぎ」を調べるため下記の様なアレイ型電波望遠鏡を作り日夜大量に吐き出される記録紙を調べていました。

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パルサー第1号を発見した「惑星間シンチレーションアレイ」電波望遠鏡(出典不明)

※微弱電波をひろう為、テニスコート57面分の土地に高さ3mの木のクイを

1000本打ちそこへ全長200kmの電線を張りました。2年がかりの作業だったそうです。

そしてついに1967年11月記録紙に0.04秒パルスの規則正しい宇宙(こぎつね座の方向)からくる電波信号を見つけました。初めは何の電波かわかりませんでした。

これはアインシュタイン一般相対性理論で予言されていた中性子星でした。

想像を絶する重力の結果として誕生する星として初めて確認されました。

重力はとんでもない物を作りだすのですね。

星の末期の形態の一つですが下記にまとめてみました。

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星の末期の形態

※最後にパルサーの最近の話題より

・現在までに約2000個のパルサーが見つかっています。

 将来的にその中の3個ほどを使い宇宙航行のGPSとする研究がすすんでいます。

・先日(’22.01,29)のヤフーニュースで「未知の天体から18分おきに強力な電波、

 正体は謎」(CNN)というニュースが出ていました。

 この天体はパルス周期の短い通常のパルサーと違い非常に強い磁場をもつ中性子星

 一種の「超長周期マグネター」か「白色矮星」か不明とのこと。