天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

「宇宙とは何か?」 第1回 古代の宇宙~コペルニクス

宇宙とはどのような世界なのか?

古代人の考えた宇宙からコペルニクスガリレオケプラーニュートンそしてアインシュタインへと続く「宇宙とは何か?」を求め続けた人たちが、何を考えてきたかを学んでみようと、壮大なテーマを2024年の新年に思いつきました。

一般書の言葉や挿絵では、理解したように思えても何か実感がわきませんでした。

頑張って数式と図を使い素人でも実感がもてるような理解ができる内容にしたいとおもいます。

このブログのカテゴリーに「宇宙とは何か?」を新たに加え、少しづつ先人たちの考えた事を書き進もうと思います。お付き合い宜しくお願いします。

 

・古代の人が考えた宇宙

(図1-1)古代バビロニア(紀元前1900年ごろ)で考えられていた宇宙世界。(出典不明)

※ 古代人が考えた宇宙は、人が住む世界に宇宙がお椀のようにかぶさっていた。

 

アリストテレス(紀元前384~322年)が考えた宇宙

(図1-2) エウドクソス(前約408~355)の同心天球説 参考文献(1)より
  • アリストテレスの時代には、すでに太陽と月と五惑星(水星、金星、火星、木星土星)が恒星と異なる動きをすることがわかっていました。

農耕の為の季節の変化を知ろうとして星を観察することから、次第に宇宙を知ろうとする時代へと変わっていきました。

図1-2の同心天球説はその時代を代表する図で、多くの球面を重ね合わせて天体の運動を説明するものです。中心に地球があります。星々は完全な円球に貼り付き地球の周りをまわっている。「天動説」の始まりです。

ただし次のような欠点があり、しだいに宇宙観も変わっていきます。

・惑星の明るさの変化が説明できない。

・惑星の逆行運動が説明できない。等

逆行運動とは

 下図のように惑星の動きがいつもと逆方向になること。

(図1.3) 外惑星の逆行運動     参考文献(3)に加筆

※そしてしばらく時代が進み

プトレマイオス(西暦約83~168年)が考えた宇宙。

(図1-4) プトレマイオスの宇宙    参考文献(1)より

※有名な「天動説」の図。

 中心に地球が有り、周りを月、太陽、惑星が回っている。惑星の逆行運動や明るさの変化は「周転円」を使って説明できる。

更に月の運動や季節の四季の長さの違いを説明するため、上図の従円の中心が地球からずれている点「エカント」を取り入れた。

プトレマイオスはこの考えを「アルマゲスト」という本にまとめた。これはかなりの精度で天体の動きを説明できるため以後1500年にわたり天文学で絶対的なものになった。また宗教的にも成功をおさめた。

しかし

・水星と金星の動きの説明に無理がある。

・惑星の明るさの変化が現実と違う。

・エレカントという考えが複雑である。

等からコペルニクスの「地動説」へとつながります。

 

コペルニクス(1473~1543)が考えた宇宙

(図1-5) コペルニクスの宇宙      参考文献(1)より

※かなり今の太陽系に近いイメージになってきました。

プトレマイオスの天動説では説明が出来なかった

・外惑星の火星、木星土星は太陽の反対側の時最も明るくなる(衝の   位置という)

・反対に太陽と同じ側の時最も暗くなる(合の位置という)

・逆行の幅は火星が最も大きく、更に逆行の周期が太陽の一年の周期と一致する。

など実際の動きを矛盾なく説明できるようになりました。

コペルニクスは「これらは全て地球の運動から起こり、恒星にそういう現象が起きないのは恒星は計り知れないほど遠くにあるから。」と惑星と恒星でキョリが違う宇宙を知った。

このように、「地動説」が出来るまで長い時間がかかりましたが、コペルニクスは惑星の軌道は全て完全な円軌道と考えていました。

 

ここから話は、迫害を受けながらも「地動説」を支持したガリレオと、惑星の「楕円軌道」を発見したケプラーへと続きます。

 

参考文献

1)「物理学入門」力と運動 武谷三男 ちくま学芸文庫

2)物理学の野望「万物の理論」を探し求めて 冨島佑充 光文社新書

3)星の位置と運動 地学教育講座11 大金要治郎 東海大学出版