天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

M22-球状星団(いて座)

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20cm反射(33倍) 2021.8.29 LX7コリメートF1.4x5sec+LPR-Nx3枚

天の川銀河には散開星団とこの球状星団の2種類の星団があり、形も分布する位置も

成因過程もまったく異なっている。

M22は日本から見える球状星団としては、ヘルクレス座のM13と並び見易い球状

星団の一つである。

星がまばらな散開星団と違い、約50万個の星が球状に密集した姿は、下の写真のように望遠鏡の倍率を上げるとみごとである。

距離は地球から約1万光年で天の川銀河の中心方向にある。

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20cm反射(83倍) 2021.8.29 LX7コリメート F1.4x8secx1枚

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M22の位置 (Wikipediaより)

M22は5等星と明るく、双眼鏡で小さな雲のかたまりの様に見える。

位置はいて座の「南斗六星」のλ(ラムダ)星のすぐ左上。

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天の川銀河を真横から見た様子

 ※ 上図の〇印が球状星団で、天の川銀河を包み込むような球状の「ハロ」の中

  に点在する。M22とM54は成因が違うと考えられている。

 ※散開星団は青色の渦巻の中に点在する。成因はこのブログのカテゴリー「いて座」

  のM8の説明を参照下さい。

 ※球状星団が球状に分布しているのは、アメリカの天文学者シャプレイ(1972年 

  没)が地球から沢山の球状星団の位置と距離を観測して発見した。

  その結果、我が地球は銀河の中心から約3万光年はずれた所にいることがわかっ 

  た。深夜の天文台でそれを発見したとき喜びのあまり、唯一居合わせた掃除の人に 

  「今私たちだけが天の川銀河のどこに居るか知っているんだ!」と言った。

 

球状星団の年齢について

慶応義塾高等学校HP「球状星団散開星団の年齢を推測する」より

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球状星団の年齢は100~150億年とみられ、まさに宇宙初期にできた

天体といえる。だが

球状星団の成因は今だ天文学の謎である。」