※画像中央のにじんだ星が球状星団のM54です。
前回紹介したM22(いて座の球状星団)の少し南側にある同じ球状星団ですが、地球からの距離が遠い為球状の星が見えませんし小さな天体です。40cm以上の望遠鏡でやっと球状星団の姿が見られます。
当初はM22と同じ天の川銀河のハロ内の天体と考えられていましたが、
1994年に天の川銀河のとなりの銀河「いて座矮小楕円銀河」の天体とわかりました。(下のイラストの②の位置)
今回のタイトルである「球状星団誕生の謎」のわかりやすい説明を、姫路科学館サイエンストピックス「科学の眼」Jun.15.2011より見つけましたので紹介します。
※私は天文学の専門家ではありませんが、数冊読んだ啓蒙書から球状星団誕生の謎を
まとめてみました。
- ① 天の川銀河のハロの内側
200個ほどの球状星団が見つかっています。
年齢は100~150億才で、天の川銀河と同じころ誕生した古い天体です。
回りに引力がないので球状に星が集まり球状星団となりました。
今回のM54はこの銀河のなかにありました。
天の川銀河以外で初めて見つかった球状星団ですが、いて座矮小楕円銀河の
中心核かもしれません。誕生は謎です。
- ③ 大マゼラン銀河(天の川銀河のお供の銀河)の中
巨大分子雲同士の衝突現場で新しい球状星団が誕生しています。
天の川銀河では新しものは誕生しておらずこれも謎です。
- ④ かみのけ座銀河団
遥か遠方の銀河団の間に無数の球状星団があることを2018年にハッブル宇宙
望遠鏡が発見しました。誕生は謎です。