天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

春の銀河めぐり(からす座~おおぐま座)

春の星座と銀河 Canon10mm 2020.6.16 F3.5x25sec 奥三河総合センターにて

※春の夜空は天の川が見えなく寂しいですが、その分遠くの天体が見通せる季節でもあります。上の写真にはこれから見ていく銀河が示してありますが、よく見るとほぼ一直線に並んでいるのがわかります。この写真から太陽系の惑星の配置のような、天の川銀河を含む数々の銀河で構成される「宇宙の大規模構造」がわかります。

※これらの銀河は色々なかたちをしていますが、1926年~1936年米国の天文学者ハッブルは近傍の銀河の写真を元に下図のような銀河のかたちの分類を作り今も使われています。

これは銀河の進化を示すものではないが、どのような物理特性を持つか研究されている。

ハッブルが作った銀河の型の音叉状分類      Wikipediaより

※それでは南の空の低い位置の「からす座」から見ていきます。

 銀河にはそれぞれ「愛称」が付けられています。また写真の画角はすべて同一のた  め、銀河の見ための大きさが比べられます。

 

NGC4038/39(アンテナ銀河、触覚銀河)

(からす座、距離6800万光年、NGC4038はSB(S)型、

NGC4039はSA(S)型)

NGC4038/39 2023.05.16 20cmF5反射直焦CMOSカメラ+IRパスフィ330秒露出

※銀河どおしの衝突の途中の例。写真には写っていませんが、星間ガスや塵の長いしっぽがみられます(下のイラスト参照)

衝突のシュミレーションでは約12億年前は別々で9億年前に接近し3~6億年で今の形になり、あと4億年で1ケの銀河になる。

NGC4038/39のイラスト

M104(ソンブレロ銀河)

おとめ座、距離5000万光年、SO/Sa型 楕円銀河+円盤)

M104 2023.04.22 20cmF5反射直焦点CMOSカメラ+IRパスフィルタ340秒露出

※大きな暗黒帯の輪(バルジ)を持つ渦巻銀河と考えられていたが、現在は楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造を持つと考えられている。

 

M64(黒眼銀河)

(かみのけ座、距離1700万光年、Sb型 渦巻銀河)

M64 2023.04.22 20cmF5反射直焦点 CMOSカメラ+IRパスフィルタ340秒露出

※М天体(メシエ天体)の中で実質2番目に大きな銀河である。

 中心から少し離れた所に目立つ暗黒帯があり、眼のように見えるところから「黒眼銀河」と呼ばれている。

 

NGC4565(ニードル銀河)

(かみのけ座、距離3000~5000万光年、SA(s)b?型 渦巻銀河)

NGC4565 2023.04.22 20cmF5反射直焦CMOSカメラ+IRパスフィルタ360秒露出

※真横から見た銀河として有名。側面が狭いためニードルと呼ばれている。

 

M63(ひまわり銀河)

(りょうけん座、距離約2700万光年、SA(rs)bc?型 渦巻銀河)

M63 2023.05.09 20cmF5反射直焦点 CMOSカメラ+IRパスフィルタ360秒露出

※私たちの天の川銀河と同じくらいの大きさ(直径約10万光年)

 

M51(子持ち銀河)

(りょうけん座、距離約2300万光年、SA(s)bc型 渦巻銀河)

M51 2023.04.26 20cmF5反射直焦点 CMOSカメラ+IRパスフィルタ310秒露出

※近くに伴星雲があることからそう呼ばれている。

 渦巻の構造が見やすいことから人気の銀河。

 

M101(回転花火銀河)

おおぐま座、距離約2700万光年、SAB型 渦巻銀河)

M101 2023.05.21 20cmF5反射直焦点 CMOSカメラ+IRパスフィルタ240秒露出

超新星 2023ixf 発見から2日後の写真。光度は14等。

 詳細は5月のブログを見てください。

 

M109

おおぐま座、距離約2700万光年、SB(r)bc型 棒渦巻銀河)

M109 2023.05.16 20cmF5反射直焦点 CMOSカメラ+IRパスフィルタ300秒露出

※北斗七星のひしゃくの3番目の星のすぐきわにある、淡い小さな銀河で愛称もなくかわいそうですが、実は私たちの天の川銀河と同じ「棒渦巻」の形をしています。

 天の川銀河も遠くから見るとこの様な形をしています。

 

色々な形の銀河を見てきましたが、銀河は衝突・合体がよく起きている生物の世界の場合と同様、銀河の現在の形態は生まれと育ちの両方の効果の結果なのであろう。