※今回のブログは、星が誕生しているところを直接見ることが出来る珍しい天体
場所は先回の「いっかくじゅう座S星付近」のすぐ南側(上の星図を参照願います)で
地球からのキョリは2500光年で先回の「いっかくじゅう座S星付近」と同じくらいです。同じグループの天体と思われます。明るさは9等星です。
※上の写真の扇を広げたような天体が「ハッブルの変光星雲」で望遠鏡でこのように見えます。小さな彗星のようにみえます。また近くのオリオン座のM78星雲の近くにも似たような姿の「マクネイル星雲」がありましたが後ほど説明します。
CMOSカメラで写したのが下の写真です。
※1783年に天王星を発見したウイリアム・ハーシェルが発見しました。
名前は米国のパロマ天文台の5mヘール望遠鏡で、天文学者エドゥイン・ハッブル(宇宙の膨張を発見した人)がファースト・ライトでこの天体を写したことから名付けられました。
日ごとに星雲の明るさや形が変わる奇妙なガス星雲から「変光星雲」と名付けられました。その原因は扇の付け根にある脈動変光星が星雲を照らしているためです。その脈動変光星こそ星が誕生している現場なのです。
その姿の13年間の変化の写真が「天文ガイド」誌2008年6月号P.101に出ています。
またその構造が長野県野辺山の45m電波望遠鏡で調べられたのが下の図です。
※中心の原始星の質量が太陽くらいと仮定すると、太陽のような星になるまでまだ
7500万年ほどかかる段階です。
マクネイル星雲の話
※ハッブルの変光星雲に似た形の星雲がオリオン座のM78星雲の近くにありました。
(最初の星図参照ください)
2004年1月米国のアマチュア天文家J.W.マクネイルさん(当時10代)が口径
7.6cmの望遠鏡を使い写真から下の写真の新星雲を発見しました。
※ハッブルの変光星雲との大きな違いは2006年にはその姿が消えてしまっていたことでした。その後の研究でこの星雲は、星雲を照らしていた若い星がアウトバースト(突発的な増光)を起こしたため一時的に見えていたことがわかりました。
またいつか見える日がくると良いですが。
詳しくはAstroArts 天文ニュース2004年7月29日を参照願います。
この二つの星雲に共通したことは、共に暗黒星雲か生まれつつある原始星であることです。
この様な天体はほかにも
・おうし座 NGC1555
・南のかんむり座 NGC6729
等があります。