天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

はくちょう座A(天の川銀河の電波地図第一号)

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はくちょう座周辺 2019.10.26  Canon 10mm F3.5x15S 奥三河総合センターにて

はくちょう座Aは全天で一ニを争う強力な電波源ですが、約5億光年と非常に遠く、

 その姿は巨大望遠鏡でもはっきり見えません。

 そんなはくちょう座Aを一人のアマチュア天文家が見つけた話です。

1931年アメリカのジャンスキーという電気技師が、偶然宇宙から電波が来ることを見つけました。これを知ったアメリカのアマチュア天文家のグロート・リーバー(1911~2002)は盛んに電波天文学の重要性を訴えましたが、当時の天文学者は誰も取り入れませんでした。

そこでリーバーは自力で自宅の裏庭に電波望遠鏡を作ったのでした。

1937年に完成しました。

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リーバーが作った世界初の口径9mのパラボラアンテナ

※今から80年前に、今と変わらないパラボラアンテナを作った発想と行動力に驚きます。

それから6年に渡り、リーバーは空のあらゆる方向の電波を測定し、1944年ついに

世界初の「天の川銀河の電波地図」を完成しました。

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Grote Reber“Cosmic Static” The Astrophysical Jounal 1944/11より

※その中に今回の「はくちょう座A」がみつかりました。

他にも「カシオペア座A」「銀河中心」などの電波源が見られました。

その後天文学者達は更に詳しくはくちょう座Aを調べたところ、約5億5000万光年先の銀河の中心核爆発による高エネルギーの雲から電波が来ていることを突き止めました。

これは電波天体第一号となりました。