※大きな小惑星(7335)1989JAが今年の5月27日に地球の近くを通過したので撮影しました。写真の視野円は満月ほどの大きさですから月の直径分を20分程で通過しました。
明るさは11等星程です。距離は約400万km(地球と月の距離の約10倍)
大きさは1800m程です。
この様に地球に接近する天体をNEO(Near Earth Object) 「地球近傍小天体」と言います。小惑星は現在79万個見つかっており、そのうち2.6万個がNEOです。未発見が
10万個ほどあるそうです。小惑星以外に彗星やロケット残骸も有ります。
※また今回接近したものはPHA(Potentially Hazardous Asteroid)「地球と衝突す る危険性のある天体」にもあたります。
下図のように地球軌道との最小交差距離が0.05AU(約748万km)以下と、遠い将来は地球と衝突する可能性がゼロではありません。今回はここ200年で最も近づきました。
※公転周期は2.36年で、遠いときは火星の軌道の外側までいきます。
今回の様な大きな天体が近づくのはまれですが、直径100m以下のNEOは 毎 月かなりの数が接近しています。
今年2022年の3月~5月のNEOの大きさと最接近キョリを調べてみました。
NEOの推定大きさ(単位=メートル) |
最接近キョリ(地球~月=1とする) |
||||
10以下 |
26個 |
31% |
1以下 |
30個 |
36% |
10~50 |
46個 |
55% |
1~2 |
29個 |
35% |
50~100 |
1個 |
1% |
2~5 |
12個 |
14% |
100以上 |
11個 |
13% |
5以上 |
13個 |
15% |
総数は84個で大きさが50m以下が約86%、また月までの距離の2倍以下まで
接近したものが約71%でした。
特に印象に残ったのは
3月:直径約3mのNEOがアイスランド沖の海に落下。
4月:直径約1~3mのNEOが静止衛星軌道の1/2(12600km)を通過。
5月:直径約4~8mのNEOがハワイ上空11000kmを通過。
※以上の様に知らないうちに小天体が地球に接近しています。
今年の9月にNASAが小惑星にロケットを体当たりさせ、軌道をずらす試験を行います。ほとんどのものは大気圏で消滅、バラバラとなり火球となって燃え尽きますが、地球に衝突しないように願うばかりです。