天の川銀河の星めぐり

天の川銀河の天体を、天体望遠鏡で見た感じにコリメート撮影で星めぐり中です。

NEO/PHA小惑星(7335)1989JAの地球接近(うみへび座)

NEO/PHA (7335)1989JA  2022.5.25 20h27mから105Sx4回計20分間の軌跡
(画像右下の破線) 20cmF4反射直焦点+CMOSカメラ+IR/UVカット

※大きな小惑星(7335)1989JAが今年の5月27日に地球の近くを通過したので撮影しました。写真の視野円は満月ほどの大きさですから月の直径分を20分程で通過しました。

 明るさは11等星程です。距離は約400万km(地球と月の距離の約10倍)

大きさは1800m程です。

この様に地球に接近する天体をNEO(Near Earth Object) 「地球近傍小天体」と言います。小惑星は現在79万個見つかっており、そのうち2.6万個がNEOです。未発見が

10万個ほどあるそうです。小惑星以外に彗星やロケット残骸も有ります。

地球に接近するNEO想像図             Peter Carril/ESAより

※また今回接近したものはPHA(Potentially Hazardous Asteroid)「地球と衝突す   る危険性のある天体」にもあたります。

 下図のように地球軌道との最小交差距離が0.05AU(約748万km)以下と、遠い将来は地球と衝突する可能性がゼロではありません。今回はここ200年で最も近づきました。

NEO/PHA (7335)1989JAの今回の軌道図        NASA/JPLに加筆

※公転周期は2.36年で、遠いときは火星の軌道の外側までいきます。

 今回の様な大きな天体が近づくのはまれですが、直径100m以下のNEOは     毎 月かなりの数が接近しています。

 

今年2022年の3月~5月のNEOの大きさと最接近キョリを調べてみました。

NEOの推定大きさ(単位=メートル) 

最接近キョリ(地球~月=1とする)

10以下

 26個

 31%

1以下

30個

 36%

10~50

46個

 55%

1~2

 29個

 35%

50~100

1個

  1%

2~5

 12個

 14%

100以上

11個

 13%

5以上

 13個

 15%

総数は84個で大きさが50m以下が約86%、また月までの距離の2倍以下まで

接近したものが約71%でした。

特に印象に残ったのは

3月:直径約3mのNEOがアイスランド沖の海に落下。

4月:直径約1~3mのNEOが静止衛星軌道の1/2(12600km)を通過。

5月:直径約4~8mのNEOがハワイ上空11000kmを通過。

※以上の様に知らないうちに小天体が地球に接近しています。

 今年の9月にNASA小惑星にロケットを体当たりさせ、軌道をずらす試験を行います。ほとんどのものは大気圏で消滅、バラバラとなり火球となって燃え尽きますが、地球に衝突しないように願うばかりです。